中国でのファクタリング事情

ファクタリングは、イギリスで誕生した債権管理サービスの一つです。イギリスからアメリカ、そして欧米やアジアの資本主義国家で広く普及し浸透したファクタリングですが、社会主義国家での位置づけが気になります。
そこで、今回は社会主義国家の大国、中国でのファクタリング事情を紹介していきます。

中国でのファクタリングの普及


2012年6月、中国政府は、「商業ファクタリング試行関係業務に関する通知」を公布し、上海と天津で外国企業が試験的にファクタリング会社を設立できるように整備しました。
更に、同年12月には、香港、マカオの投資家に商業ファクタリング会社の設立を認めました。場所は、広州と深圳の2ヶ所です。
国を上げてファクタリング事業に力を入れ始めた中国ですが、2012年時点での年間のファクタリング利用高は、約2兆2000億元、企業の資金調達全体での割合は10%以下に留まっています。

その後、政府からの期待もあり、中国でのファクタリング事業は少しずつ発展していきます。何故、中国政府がファクタリング事業者に期待をしているかと言うと、中国では支払いの遅延が常態化していたからです。
中国政府としては、外資系企業の参入が増えたことで国内企業の支払いが遅れ、国家や国内企業の信用が落ちてしまうことを強く懸念していました。そこで、ファクタリング事業者に債務者に支払い期日を守らせてくれる役割を担って欲しいと期待しているのです。

中国のファクタリング形態

ファクタリングは債券取引の商取引という事を理解する
欧米諸国や日本では売掛債権を譲渡する売掛債権ファクタリングが主流です。一方、中国では売掛債権の譲渡だけでなく買掛債権の譲渡によるファクタリングも頻繁に行われています。

買掛債権ファクタリングには、受注者側が支払いを先延ばしすることができるメリットがあります。買掛債権ファクタリングを利用すれば、取引先への支払いを期日までに代行してもえます。更に、自身の支払いは先延ばしにできるので、支払いが立て込んで資金不足になってしまった時に便利です。

また、買掛債権ファクタリングを利用することで、発注者側は売掛債権を期日通りに回収できるというメリットがあります。
このような背景から、中国では買掛債権ファクタリングの需要が年々高まっています。

ファクタリングは日系企業の強い味方

2社間ファクタリングは天国or地獄?落とし穴を回避して効率的な資金調達をする方法
売掛債権ファクタリングは、売掛債権が回収できないというトラブルを回避するための有効な手段です。支払いの遅延が多い中国では、売掛債権の回収に多くの時間と労力を浪費してしまう危険性があります。そんな時に売掛債権ファクタリングを利用することで、企業は売掛債権の回収代行をしてもらえるメリットがあります。

ファクタリング会社を利用することで手数料は発生しますが、売掛債権が回収できなくては意味がありません。売掛債権ファクタリングは、そんな日系企業の資金ショートを防いでくれる強い味方となっています。

欧米諸国と比べると、中国でのファクタリング事業の歴史はまだ浅いです。その分、中国でのファクタリング事業の需要は、中国国内の企業の発展と共に今後も伸びていくでしょう。中国でのファクタリングがどのように発展していくのか、見届けていく必要がありそうです。