輸出取引の代金回収業務を滞りなく行える仕組みとして、近年人気を集めているのが国際ファクタリングです。
今までは取消不能信用状や保証状を用いて輸出国の輸出貿易保険等を利用するのが一般的な手法でした。
しかし取引が煩雑であり、そのうえ長期間を要するので、輸入業者の信用リスクを抑えたい場合はファクタリングを導入するという新しい選択肢が誕生したのです。
今回は、その国際ファクタリングで覚えておきたいメリットとデメリットについて解説してきます。

信用状からファクタリングへ


今までは、海外事業者との貿易取引リスクをヘッジする為に、信用状(L/C)を用いた取引が行われてきました。
しかし、貿易実務の負担軽減や取引の迅速化という観点から、信用状の利用機会は徐々に減り、送金ベース決済の国際ファクタリングを採用することが主流となりつつあります。

国際ファクタリングの利用メリット


国際ファクタリングの利点は、輸出者の代金回収が保証されるということです。しかもその際、取引先の信用リスクは問いません。
輸出者とファクタリング会社がファクタリング契約を結んだ段階で、輸出業者が所有する売掛債権はファクタリング会社へとスライドされます。
そして、ファクタリング会社が責任をもって債権の管理や回収を行う運びになります。
更に、国際ファクタリングを利用する二つ目のメリットとして、輸入者の与信管理の効率化という点も挙げられます。
ファクタリング会社が輸入企業の信用調査を定期的に実施してくれるので、自社で信用調査をする手間も費用も省けるという点は大きなメリットです。
また、新規取引先の場合であっても、ファクタリング会社を活用すれば信用調査を行うことが可能です。

国際ファクタリングのデメリット


そのような国際ファクタリングにも、勿論デメリットはあります。
そのデメリットの大きな一つが手数料の部分です。
海外のファクタリング会社を経由することが必須になるため、通常のファクタリングと比較しても手数料は高くなる傾向があります。
また、信用調査費や保証料、その他雑費も輸出業者が負担しなくてはいけないこともデメリットです。
それでも、輸入業者の債務不履行によって大きな損害を出すよりは、よっぽど安い保険料と言えます。
また、非常危険等が起こった場合は保証対象外となっており、保証される範囲の内容は信用事故のみとなります。よって、事前にこれらのデメリットもしっかり把握しておくことが必要です。

中小企業の強い味方に


国内の中小企業や小規模事業者が遠方にある海外の企業と取引を行う場合には、商品を輸出したとしても相手企業の代金未払いや倒産といった問題が懸念されます。
しかし、国内の中小企業や小規模事業者には、取引相手が海外の企業だと、詳細な信用情報を知ることはなかなか難しく、海外との取引先が増加すればするほど、債権管理は煩雑なものとなりがちです。
そのような場合、国際ファクタリングを選択して上手に活用すれば、中小企業や小規模事業者であっても海外の相手企業と安心して取引をすることが可能となります。
売掛債権の額面が保証されて、信用リスクも整えてくれる国際ファクタリングは、今後より一層グローバル化が進む日本で、重宝されるサービスとなることが予測されます。