債権譲渡登記の必要性〜登記しないとどうなる?〜

ファクタリングを利用する際には、債権譲渡登記を求められることも多いです。一般的になじみのない言葉のため、どんな問題があるのか分からないと不安になるのもしかたありません。
債権譲渡登記を理解すれば手間なく第三者対抗要件を満たせ、債務者に知られず債権譲渡を行えます。

債権譲渡は多重譲渡のリスクをはらんでいる


債権の譲渡では、多重譲渡という問題がつきまといます。
例えば、AがBの売掛債権をCに譲渡したとします。これだけなら譲渡されたCが債権を持っている状態ですが、もしAが、第三者のDやEにも債権の譲渡を行ったら権利関係は複雑になるのです。法律的には、債権の二重譲渡を行ってもその事実は無効になりません。

このとき、債権を譲渡した事実をCやBやDやEが知らされていないと大問題となります。

CやDやEは「自分こそが債権を持っている」と主張するはずです。この問題を解決するには、第三者対抗要件を満たさなければなりません。

第三者対抗要件を満たすことで債権を持っていると主張できる


複数の債権者がいた場合、全員の立場は【両立し得ない法的地位】となります。つまり、債権譲渡を受けた全員、権利者としての優劣がない状態なのです。その状態では延々と問題を解決できないため、優先順位を決めなければなりません。

そこで「自分に一番優先権がある」と、債務者や他の債権者に主張するために第三者対抗要件を満たさなければならないのです。第三者対抗要件が、権利関係を解決するための判断材料となるからです。

ただし、第三者対抗要件は他の債権者も満たしていることも多いです。その場合、一番先に満たしていた者に優先権があります。

第三者対抗要件は手間や手続きや費用負担や信用不安が生まれる


第三者対抗要件を満たすには、手間と債務者の関与が問題となります。法人の場合、多くの債権を一度に譲渡するとなれば、複数の債務者に対し対抗要件の手続きが必要で手間がかかりすぎるのです。

また、譲渡人は債務者へ債権譲渡の通知や承諾を受けなければなりません。

【民法第467条第2項第三者対抗要件】

  • 譲渡人が債務者に債権を譲渡した事実を通知
  • 債務者の承諾を得る。確定日付のある証書で行う
  • 債務者が取引先なら「資金繰りがやばいのだろうか」と疑念を持たれる可能性があります。
    そこで債権譲渡登記が有効になるのです。
    債権譲渡登記なら譲渡人と譲り受ける人との共同申請をするだけで済むため、債務者は関係ありません。

    ファクタリング会社が債権譲渡登記を求める理由

    ファクタリング会社を利用する際にも、債権譲渡登記を求められることが多いです。理由は、二重譲渡を防ぐためと、対抗要件を満たし権利関係をはっきりさせるためです。債権譲譲渡登記が不要としているファクタリング会社もありますが、その分、手数料を高く設定していることがあります。

    債権譲渡登記をしないと二重譲渡のリスクや対抗要件を満たせない


    債権譲渡登記の一番の目的対抗要件を満たすことです。また、債務者への通知や承諾を行わず債権譲渡ができる点にあります。

    債権譲渡登記ではなく、個別に対抗要件を満たせますが、多くの債権を譲渡する場合、手間もかかりますし、債務者へ知られる可能性があるのです。債権譲渡登記は、債権譲渡時に手間を減らせ、債務者に知られないというメリットがあります。