国が請求先でも病院が潰れる医療報酬のカラクリと役立つ医療ファクタリング

令和元年8月27日、医療法人冠心会が民事再生手続き開始を受けました。
有名な医師を抱えながら破綻した冠心会は、2023年7月までの診療報酬をファクタリングして院の運転資金に充てていました。
医療債権は多くのファクタリング会社が扱っている債権で、利用方法を誤ると病院そのものが潰れてしまいかねません。
病院経営には医療報酬のカラクリを理解した上で、ファクタリングの有効活用が求められるのです。

ファクタリング時事問題として医療ファクタリングが取り上げられた理由

ファクタリング時事問題として医療ファクタリングが取り上げられた理由

全貌が明らかにならない不安感からか、医療ファクタリングによる病院破綻が取り上げられました。
良くも悪くも、ファクタリングは世間の注目を集める存在なのです。

ファクタリングは経済産業省が推奨する金融工学です。
しかし、ほとんどの経営者はファクタリングとはどんな金策なのか分からないという実情を孕んでいます。

医療ファクタリングが取り上げられた理由として【企業の規模に関係なく利用方法を誤れば破綻する可能性を持つ取引】だと世間に知らせることで、無闇にファクタリングに走らせないようにする目的があるのです。

十分に考え抜いた上での利用と、安易な資金調達手段としての利用では、その後やってくる圧迫への対応の姿勢が変わってきます。
ファクタリングで容易に資金調達できても、実際に手に入れられる金額は、予定額よりも大きく下回ってしまうのです。

医療ファクタリングを知る前に医療報酬の仕組みを知る

医療ファクタリングを知る為には、医療報酬の仕組みを知ることが必要不可欠です。
医療ファクタリング依存を生んでしまう原因は、この医療報酬の仕組みに隠されていました。

医療報酬は大きく3種類に分けられます。

  • 診療報酬
  • 介護報酬
  • 調剤報酬

診療報酬とは、病院の窓口で患者さんが支払う負担分に国保や社保からの保険負担分を足した医療費の事を指します。
一般的には1割~3割が窓口負担分となり、のこりの7割~9割が国保や社保から後日支払われるのです。

介護報酬も診療報酬と同様、利用者負担が1割~3割、保険部分が7割~9割となります。
訪問型介護施設などの法人が対象です。

調剤報酬とは薬局の報酬を指します。
調剤技術料や薬学管理料など、薬を提供するまでの工程に点数が付けられて報酬が発生します。

この3つを総称して「医療報酬」と呼ばれているのです。

医療報酬が支払われるのは月末締め翌々月の理由

患者さんが負担しない分の医療報酬は、月末で一旦締め切られ、翌月か翌々月に入金されます。
つまり、医療報酬は診察から2ヶ月以上後になってから支払われるという事です。

日本全国には病院や介護施設、薬局が無数にあります。
医療施設に一括して報酬を支払う為、報酬の計算に時間がかかってしまうのです。

大病院を蝕む医療報酬のタイムラグ

大病院でさえ破綻するのは、医療報酬の入金までにタイムラグが発生する為です。

設備投資や新薬の取り扱いなど患者さんを増やすためには相応の資金が必要です。
患者さんに正しい医療を施すのは、医師の技術力に掛かっています。

しかし、医療レベルは病院の経営状態に強く影響されます。
投資をしなければ、最新機器を導入しているライバル病院に患者さんを取られてしまうのです。

結果、患者さんを救う為の医療が「投資競争社会」になっているのです。

医療ファクタリングを活用して財政を立て直す

医療ファクタリングを活用して財政を立て直す

医療報酬は、民間企業同士の売掛債権と違って確実に入金される売掛債権になります。
医療債権は、取引先である国保や社保が破綻する可能性がありません。
その上、金額も高額な【ローリスクハイリターン】の債権です。

利用者側としては、ファクタリング手数料が5%程度と安い為、利用しやすい資金調達の方法です。

銀行融資依存から自立するために

高額な医療機器などを導入する場合、これまでは銀行からの融資を利用している医療機関がほとんどでした。
しかし、融資には返済と利息が発生します。

返済期日に入金できれば問題ありません。
しかし、支払いが滞ってしまうと将来的な融資も見込めません。
病院の規模に関わらず、融資に頼らないような病院運営が望ましいです。

医療ファクタリングのメリットを活用して資金繰りのバランスを取る

医療ファクタリングのメリットは「手数料が安く確実にファクタリングできる事」です。
売掛債権で資金が調達できるため、資金繰りの改善にはピッタリの資金調達方法です。

民間のファクタリング会社だけではなく、メガバンクが運営する銀行系ファクタリング会社でも扱っています。
メガバンクと取引しているのなら、ファクタリング担当者に相談して融資との使い分けもできるのです。

民間のファクタリング会社を利用する場合は、手数料や掛目の低い所を中心に検討してください。
どんなに評判が低くとも、利用者にとって重要なのは「低い手数料」で資金化できる事です。
入金サイクルを安定させ、資金繰りのバランスを取る事が病院経営に求められているのです。

ファクタリング依存症にならないために長期的な財務計画を立てる

冠心会のニュースは、ファクタリングで運営資金を補っている中小の医療法人に大きな衝撃を与えました。

入金サイクルを低い手数料で健全化できるといっても、結局は給料の前借りと同じです。
2ヶ月半後には医療報酬が0円になってしまうのです。
また、いくら手数料が低いといっても、利益が減ってしまう事に変わりありません。

冠心会の破綻は、資金繰りをファクタリングに頼り切っていた事が原因です。
こうしたファクタリング依存は、冠心会に限った話ではありません。
簡単に資金調達ができる医療ファクタリングだからこそ、使い方には充分気を付けるべきです。

医療法人のファクタリング利用には、メリットとデメリットが共存している事を忘れてはならないのです。