ファクタリングは中小企業庁が推奨する金策である3つの理由

現在、日本の景気は回復傾向にあるといわれており、企業を取り巻く金融環境も一時期に比べて改善されています。
しかし、中小企業の資金繰りは依然として厳しい状況である事に変わりはありません。

中小企業庁が推奨しているのが、企業が保有している売掛債権を売却して現金化できる新たな金策手段である【ファクタリング】です。

ファクタリングは、日本では有効な金策だという認知度が低いのが現状ですが、中小企業の資金繰りを改善する為には不可欠な金融工学なのです。

中小企業を取り巻く金融状況

中小企業の資金調達構造は、自己資本に比べて借入金の割合がはるかに高く、金融機関の貸出態度によっては経営危機に陥る危険性をはらんでいます。
また、大企業に比べて中小企業は資金繰りや資金調達が難しいという問題もあります。

中小企業の資金調達方法

大企業では、自己資本や借入金の他に社債の発行など多様な資金調達方法を活用しているのが特徴です。
前述したように、中小企業の資金調達は金融機関からの借入金に多くを依存しています。
これには、中小企業は社債や株式の発行による資金調達が難しいという事が背景にあります。

多くの投資家はより利益が出ると判断した投資先に資金をつぎこみます。
その為、規模の小さな中小企業は投資の対象とはなりにくいのです。

金融機関から借入をする場合、担保を求められ、ほとんどが不動産を担保にします。
しかし、不動産を所有していない中小企業が多く、もし所有していたとしても地価の下落によって、それほど価値があるものと判断されない事があります。

これらの事情によって、中小企業が金融機関から融資を受けるのは非常に困難だという事が分かります。

資金調達方法の多様化と政府の施策

現在の中小企業は、従来の金融機関の融資に依存しない資金調達の方法が必要です。
それが売掛債権の活用です。
経済産業委員会調査室が発表した『中小企業における資金調達の課題』というレポートでも、売掛債権や流動資産を担保とする資金調達方法の活性化を推奨しています。

しかし、売掛債権を担保とする融資には次のような問題があります。

  • 取引にかかる契約にて債権譲渡禁止特約が存在する場合には売掛債権を担保にできない
  • 売掛債権を担保に資金調達する事によって「資金繰りが苦しい会社だ」という風評被害に遭う

これに対して経済産業省中小企業庁では、売掛先の事業者に対して広く周知しています。

  • 中小企業との取引において債権譲渡禁止特約の解除への協力
  • 売掛債権の利用促進は国の施策である

また、民法466条(債権の譲渡性)の改正が行われ、「債権の譲渡が禁止・制限されていたとしても、債権譲渡は成立する」という事が明記されました。
2020年4月1日から施行され、以降は債権譲渡禁止特約が無効となります。

中小企業庁が推奨する売掛債権の活用とは

中小企業庁が推奨する売掛債権の活用とは

売掛債権を活用する資金調達方法には、売掛金担保融資とファクタリングの2種類があります。
どちらも売掛債権を活用している為、混同してしまいがちですが、内容は全く異なります。

売掛金担保融資

企業が保有している売掛債権を資産としてとらえ、この資産を担保に融資を受けるのが売掛金担保融資です。
貸し手は金融機関等が多く、信用取引になる為、企業の業績や資産状況等が重要視されます。

また、売掛債権の貸し倒れリスクは自社が負う事になります。
その為、期日までに売掛金を回収できなかった場合は、そのまま損失となってしまうのです。

ファクタリング

ファクタリングはファクタリング会社に売掛債権を売却して資金調達をする方法です。
売却の際に手数料が発生しますが、債権回収業務はファクタリング会社が行います。
売掛金担保融資のように、貸し倒れリスクがないのがメリットです。

中小企業庁がファクタリングを推奨する3つの理由

中小企業庁がファクタリングを推奨する3つの理由

ファクタリングは中小企業庁が推奨する非常にクリーンな金策方法です。
しかし、ファクタリング発祥の地アメリカに比べると、日本ではまだほとんど利用されていないのが実情なのです。

政府がファクタリングを推奨する理由を理解して、その正当性を知ってください。

黒字倒産を防ぐ

データによると、日本の倒産企業の半数近くが黒字倒産です。
黒字倒産とは、帳簿上では利益が出ているにも関わらず、手元に資金がなく、会社の存続ができなくなって倒産してしまう事を指します。
黒字倒産の原因の1つに資金繰りの悪化が挙げられます。

企業を経営するにあたっては、仕入れや取引先への支払いと売掛金の回収を計画的に行う事が必要不可欠です。
経理上の管理がきちんとできていないと、支払いがあるのに資金が手元にないという事態に陥ります。

こういった問題を解決するのが、ファクタリングです。
ファクタリングは、まだ回収が先の売掛債権を売却する事で資金調達ができます。
前述したように、ファクタリング契約を結ぶと、万が一売掛先の企業が倒産しても、貸し倒れのリスクを負わなくて済みます。

中小企業は日本の全企業の99.7%を占めています。
中小企業の破綻は日本の経済に多大な損失を与える為、政府が黒字倒産を防ぐ施策としてファクタリングを推奨しているのです。

不動産価値の低迷

金融機関で不動産を担保に融資を受けた場分な十分な額の資金が調達できます。
しかし、今後不動産自体の価値は低迷していくといわれています。

日本の高齢化は急速に進んでおり、労働人口の割合は将来的に減少していきます。
それによって日本の経済活動は低迷、不動産価値もなくなってしまうのです。

また、ファクタリグは、担保となる不動産を保有していない中小企業の為の救済措置ともいえます。

金融機関による貸し渋り

銀行を始めとする金融機関は、リターンの大きい大企業に融資をして、中小企業には貸し渋りをする傾向があります。
それは政府も把握しており、金融機関よりも比較的審査の緩いファクタリングを推奨しているのです。

ファクタリングを有効利用して資金調達をしよう

政府も利用を推奨しているファクタリングは、時代のニーズに合った合理的な金策方法です。
大手の売掛先からの入金がないと、支払いや仕入れがままならないという中小企業は、積極的にファクタリングを利用する事をオススメします。