手形割引とファクタリングは似たような方法で現金化を狙いますが、2つのサービスは全く違います。手形割引は売掛手形を買い取るサービスである一方、ファクタリングは売掛金を買い取るサービスです。買い取るものが異なるため、2つのサービスは全く違うものと考えてください。

手形割引にはデメリットが存在するため、デメリットを解消しなければファクタリングほど使い勝手は良くありません。より使い勝手のいい方法を利用したいと考えているなら、ファクタリングを利用したほうがいでしょう。

手形割引とファクタリングは別のサービス

手形割引とファクタリングは、同じように現金化のために売掛債権を買い取るサービスです。ただ、買い取る物は異なっており、手形割引は売掛手形しか買い取れません。一方でファクタリングは売掛金しか買い取れません。

2つのサービスは全く違うものとして提供されており、サービスの違いをしなければ買取されない恐れがあります。まずは買い取るものの違いをしっかりと理解してください。売掛手形は手形割引に対して、売掛金はファクタリング業者に対して売却するのです。

そして手形割引とファクタリングには明確な違いが2つ存在します。この2つの違いにより、サービスの質は全く異なる状態となるのです。特に今後の融資等の審査に影響する部分が大きいため、2つのサービスにある違いは知っておかなければなりません。単純に買い取る商品の違いだけではなく、他にも異なる部分が多数あるのです。

手形割引とファクタリングの違い

ここからは手形割引とファクタリングの違いについて説明します。2つのサービスで異なる点は大きく分けて3つあります。

・手数料の違い
・償還求償権の違い
・決算書に与える影響

以上の3つは大きな違いですので、売掛債権の買取を検討している場合はしっかりと把握したほうがいいでしょう。特に経営状況などに影響を与えたり、他のローン審査等に影響する部分もありますので、間違った認識でサービスを理解しないようにしましょう。

手数料の違い

手形割引とファクタリングは手数料が異なります。手数料はファクタリングの場合、2社間では20%程度、3社間では5%程度が平均的な数字です。一方で手形割引を利用する場合、手数料は5%程度が目安となります。

一見すると、3社間ファクタリングと手形割引にそこまでの違いはないかもしれませんが、3社間ファクタリングを利用するケースはそこまで多くありません。理由は売掛先に対して通知しなければ利用できないため、通知によって様々な弊害が及ぶ可能性もあるからです。

そこで2社間ファクタリングを利用する企業が多くありますが、2社間の場合は手数料の金額が多くなる可能性も高いのです。手数料の数字が30%近い業者もいますので、相当な金額が手数料で消えていく恐れもあります。

手数料だけを見ると、手形割引の方が使いやすいと感じるでしょう。ファクタリングは2社間の手数料があまりにも高すぎるため、慎重に手数料を計算したり、手数料を引き下げるための比較や交渉もしなければなりません。一方で手形割引なら、手数料の交渉は基本的にありません。

償還求償権の違い

2つ目の違いは償還求償権です。一見すると何を指しているのかわかりづらいかもしれませんが、償還求償権は買戻しを要求できる権利のことです。この権利は手形割引には存在し、ファクタリングには存在しません。

ファクタリングの場合、もし売掛先がお金を支払えない場合でも、ファクタリングを利用した企業が支払う義務はありません。売掛先が支払えない場合は、手数料でファクタリング業者は妥協するしかないのです。2社間ファクタリングの手数料が高く設定されるのは、手数料でリスクを回避するためと考えてください。

一方で手形割引の場合、償還求償権が存在します。もし売掛先が売掛手形の支払いができない場合、買戻しを要求されてしまいます。買戻しとなれば受け取った資金を返さなければならないため、借入と同じように返済義務が生じてしまいます。

償還求償権は契約によって異なりますが、償還求償権のある手形割引と存在しないファクタリングでは圧倒的にファクタリングの方が使いやすいのです。契約後の安心感を得たいと考えているなら、ファクタリングを使ったほうがいいでしょう。

決算書に与える影響

最後に決算書に与える影響が異なります。手形割引は決算書の貸借対照表に掲載しなければなりませんが、ファクタリングは貸借対照表に掲載する必要はありません。つまり決算書に掲載されている情報によって、借入等に影響が及ぼ可能性もあります。

手形割引の場合、実施した場合は貸借対照表へ掲載し、現時点でサービスを利用していると把握させなければなりません。これはルールで決められているため、掲載しなかった場合は罰則の対象です。未掲載の場合は信用を失う可能性もあります。

貸借対照表に手形割引の情報が掲載されると、銀行の信用を失う可能性があります。銀行としては、貸借対照表に手形割引に関連する情報が多く掲載されていると、経営上の問題を抱えていると判断するのです。その結果、融資を受けられなくなり、肝心なところで銀行からお金を受け取れなくなります。

一方でファクタリングの場合、ファクタリングを実施した場合も貸借対照表に掲載する必要はありません。つまりファクタリングを利用しても、銀行などの知られる可能性はないのです。銀行から融資を受けられる可能性も十分にあるため、ファクタリングを利用していれば将来的な融資に期待もできるでしょう。

ファクタリングと手形割引のどちらを使っていくべきか

ファクタリングと手形割引は3つの違いを持っていますが、より安心して利用できるのはファクタリングです。最大の理由は不渡りと審査の影響を回避できるからです。手形割引の場合、不渡りの可能性もありますし、銀行の審査に落とされるリスクも大きくなってしまいます。

ファクタリングは利用してもお金を返すように求められる心配はありませんし、銀行の審査にも影響しません。安心して契約できる要素が多く存在するため、経営状況が苦しい企業でも利用しやすいのです。手数料という問題は、比較や交渉で何とか抑えていけば解消できる場合があります。

一方で手形割引の場合、不渡りの可能性が生じてしまうほか、貸借対照表に掲載した情報で銀行の審査に落とされる可能性もあります。特に銀行の審査に落とされる可能性を持っているのは、将来的に大きな融資を受けたいと考える時にかなり不利な状態です。

安心して利用できるという部分では、圧倒的にファクタリングの方がいいのです。手数料では明らかに負けている部分はありますが、その分だけ利用した後のリスクが軽減されています。サービスを使って経営の問題を将来的に引き起こさないのはファクタリングなのです。

手形割引とファクタリングで迷ったらファクタリングをベースに考えよう

手形割引とファクタリングは、どちらを利用していいのか迷いやすい部分もあります。しかし、手形割引とファクタリングには明確な違いがあり、安心できるのはファクタリングです。安心してサービスを利用し、今後に不安を残したくないならファクタリングを選びましょう。

ただ、ファクタリングでも適用される方針次第では使いづらいものもあります。しっかりとサービスを使い前に、業者が提示した条件等を理解しておきましょう。